地上アナログテレビ放送における周波数オフセット
2024/7/13

ホーム > 無線・通信・放送 > 地上アナログテレビ放送における周波数オフセット




Wikipedia「テレビ周波数チャンネル」より


地上アナログテレビ放送の中継局を調べていると「+」や「-」といった記号の「オフセット」と呼ばれる項目を目にします。

このオフセットについて、ググってみても何も引っかからないので、私の独自の見解を述べたいと思います。


同じチャンネルの送信所が近くと遠くにあった場合、当然近くの送信所の電波が受信できるわけですが、遠く送信所の電波が僅かにかぶることがあります。

FM方式の音声の場合、FM方式の特徴である弱肉強食の原理が働き強い電波の方が完全に勝ちます。

しかし映像は「残留側帯波」というAM方式に近い電波方式を取ります。AM方式はFM方式と異なり同じ周波数の電波を同時に受信すると両方の電波が同時に受信される特性があります。AM方式で同じ周波数の電波を受信した場合、同じ周波数でも送信機の僅かな周波数の違いで低い周波数の唸りが発生します。たとえ片方が遠くの弱い電波であろうとも映像に出てしまいます。この唸りは見ていて大変不快です。

そこで、一方の送信所の電波を本来の送信周波数より上か下かに10kHzずらします。すると唸りがものすごく高い周波数になり人間の目には認知されなくなるというわけです。受像機においては10kHzのずれは誤差の範囲なので問題がありません。

AMラジオ放送で複数の中継局で同じ周波数で放送されていることがありますが、「SFN(単一周波数ネットワーク)」という、複数の送信機の周波数を精密に同期させて送信することで、複数の電波を受信しても唸りが少なくなる技術を用いています。

地上デジタル放送も、GPSを用いてすべての送信所の周波数を同期させているので問題は無く、複数の送信所で同じ周波数を使うSFNを実現しています。


なお、冒頭に記したとおり独自研究、見解のため、信頼性は不明ですがそんなに間違ってないと思います。



Copyright © 1999-2024 NAZ